高齢者見守りカメラは、『介護保険』を使って購入・レンタルできる?
高齢者用の見守りカメラは、決して安価ではありません。でも、自宅で介護をしている親族を残して外出するときや、遠く離れた高齢の両親の暮らしが心配な時に、「高齢者用の見守りカメラが安心なのに…」と思うことってありますよね。
そこで今回は、高齢者見守りカメラと介護保険について解説していきます。介護保険で高齢者見守りカメラを使ってみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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Contents
高齢者見守りカメラとは?
高齢者見守りカメラとは、その名のとおり高齢者を見守るためのカメラのこと。
自宅で高齢者を介護しているときに、
「ちょっとお出かけしたいけれど、おばあちゃんに何かあったら心配……」
「徘徊するおじいちゃんのことが心配で、仕事に身が入らない」
など、不安がある方もいるでしょう。
そんなときに、自宅にいる高齢者の様子を見守っていてくれるカメラがあれば、多少は安心できるのではないでしょうか?
高齢者見守りカメラがあれば、スマートフォンに自宅の映像が届いたり、何かあったときに通知が来たりするので、外に居ても自宅の様子がわかるのです。
介護保険で福祉用具は安くなるの?
「介護保険を使えば、福祉用具が安く買える」と聞いたことがある方もいると思います。
しかし、実際のところは、すべての福祉用具が安くなるわけではありません。
さらに、福祉用具に関する介護保険制度は、
- レンタル
- 購入
の2つの種類があるのです。
それぞれ内容が異なるので、まずは、制度について知っておきましょう。
介護保険レンタル(福祉用具貸与)
レンタルとは、福祉用具をレンタルできる制度のこと。介護保険を利用することで、レンタル料の負担額が1~3割(所得による)まで安くなります。
ただし、すべての福祉用具がレンタルできるわけではありません。レンタルできるのは、以下の13項目に当てはまるもののみとなっています。
- 車椅子
- 車椅子付属品
- 特殊寝台(電動ベッド等)
- 特殊寝台付属品
- 床ずれ防止用具(エアマットなど)
- 体位変換器
- 手すり
- スロープ
- 歩行器
- 歩行補助杖
- 認知症老人徘徊感知機器
- 移動用リフト
- 自動排泄処理装置
なお、項目によっては介護度により利用できないこともあります。
さて、今回お話する「高齢者見守りカメラ」ですが、実は「認知症老人徘徊感知機器」に当てはまるわけです。
そのため、高齢者見守りカメラは、介護保険を使ったレンタルが可能となっています。レンタル料の相場は月額5,000~15,000円ほど。そのうち1~3割が自己負担額となります。
ただし、必ずしも高齢者見守りカメラがレンタルできるわけではありません。高齢者見守りカメラがレンタルできるのは、基本的には要介護2~5の方のみです。
まずは、担当のケアマネジャーに相談してみましょう。アドバイスをくれるかもしれません。
福祉用具の購入(特定福祉用具販売)
ここまで、レンタルについてお話しましたが、購入も介護保険を使ってできます。こちらも自己負担額が購入額の1~3割とかなり安くなるので、利用できるなら利用したほうがよい制度です。
ただし、こちらも対応している品目が決まっています。介護保険を使って購入できるのは、以下の5品目です。
- 腰掛け便座(ポータブルトイレ)
- 自動排泄処理装置の交換可能部分
- 入浴補助用具(シャワーチェア等)
- 簡易浴槽
- 移動用リフトの吊り具の部分
さて、高齢者見守りカメラですが、残念ながらこれらの項目には当てはまりません。
つまり、高齢者見守りカメラは介護保険を使って購入することはできないのです。
高齢者見守りカメラは介護保険が適用されるの?
ここまで介護保険と福祉用具の制度について解説してきました。
改めて「介護保険を使って高齢者見守りカメラは安くなるのか?」という疑問の答えをまとめていきます。
- 高齢者見守りカメラのレンタル→介護保険を使える
- 高齢者見守りカメラの購入→介護保険を使えない
「高齢者見守りカメラを介護保険を使って利用したい」という場合は、現状ではレンタルしかないということですね。
購入したい場合は、介護保険を使わずに全額自己負担で購入することになります。
介護保険が適用される高齢者見守りカメラとは?
高齢者見守りカメラは、レンタルであれば介護保険を使えると解説しました。
ただ、すべての高齢者見守りカメラを介護保険でレンタルできるわけではありません。「介護保険適用」の商品のみが介護保険でレンタルできます。
さらに、福祉用具の事業所がすべての高齢者見守りカメラを導入しているわけではないので、対応してくれる事業所によっては利用できる商品が限られることもあります。
さて、ここからは、介護保険レンタルに対応している高齢者見守りカメラを紹介していきます。繰り返しになりますが、レンタルできるかどうかは状況にもよりますので「こんな商品がレンタルできるかもしれないのか」と参考程度に見てみてください。
高齢者見守りカメラをレンタルしたい場合は、まずはケアマネジャーに相談してみましょう。
みまもりCUBE
(出典:みまもりCUBE)
みまもりCUBEは、玄関に設置することで、誰かが玄関を出入りしたときに玄関の画像を撮影し、画像をスマートフォンなどに配信してくれるカメラ。
そのため、高齢者が外に出たときの時間や服装を把握できるので、万が一の際の早期発見に繋がります。
また、カメラからあらかじめ録音した音声を再生することも可能。「どこにいくの?」などの音声を再生することで、玄関から出て行く高齢者に注意を促すことができます。
パルモケア2
(出典:パルモケア2)
パルモケア2は、ほかのセンサーと連動できるアイテム。マットセンサーや磁気センサーなどで高齢者の動きをとらえ、スマートフォンなどに通知を送ります。
通知がきたあとにスマートフォンで操作をすると、パルモケア2のカメラが起動して、カメラの映像をスマートフォンで見ることができます。さらに、映像を見ながら声をかけることも可能です。
エンジェル・アイⅡ
(出典:エンジェル・アイⅡ)
エンジェル・アイⅡは、モーションセンサー・温度センサー・音センサー・無線センサーの4つのセンサーで人の動きを感知するセンサー。
センサーが高齢者の動きを感知すると、スマートフォンに通知が来て、音と映像を受信できます。
高齢者の見守りカメラは、レンタルであれば介護保険利用OK!
高齢者見守りカメラは、レンタルであれば介護保険で利用できます。
ただ、介護度や、利用する福祉用具の事業所によってはレンタルできないことも。
まずは、ケアマネジャーに相談してみましょう。ケアマネジャーなら、アドバイスをくれるかもしれません。